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​成年(任意)後見とは

 まず、大前提として、身体障がい者のみの方には成年後見制度を利用することができません(後述する任意後見制度の利用は可能です)。精神障がい者、認知症、高次性機能機能障害の方は利用できます。どのような場合に成年後見人が必要とされるのでしょうか。成年後見制度は基本的にその方が亡くなるまで一生涯続きますので、慎重に判断する必要があります。

 以下の場合に成年後見制度の利用を検討することになります。

  親族がいない、疎遠、近くにいるが高齢である場合

  生活保護を受けている方で周りに頼る人も少ない

  介護している方の負担が大きく、介護倒れになりそうな場合

  ④上記①から③に加え、法律行為(施設への入所契約、入院手続)や財産管理(財産を守る)の必要があること

 単に不動産や財産を処分したい、預貯金を解約したい等の理由だけで後見制度を利用することは、後に問題が生じるだけですので、お勧めできません。

 また①から③を見ていただくとわかりますが、資力(財産)の有無は関係ありません。

そもそも後見はどのように開始される?

 後見手続は、家庭裁判所へ申し立てることにより開始します。

 申し立てる人を「申立人」といい、申立人は親族、市長、本人のいずれかがなります。認知症の方に法律行為や財産管理等の必要性が生じた場合、親族や親族がいても申立てに消極的な場合(申立費用は申立人の負担と法律で定められています。この費用負担がネックとなります)は、お住いの首長(市長)が申し立てますが、市によって積極的に申し立てる市もあれば、成年後見制度に無関心な市も事実存在します(このような場合、事実上申し立てる人がいませんので、やや強引な手法でありますが本人を申立人とし、申立てに関する一切の手続きを専門職である司法書士等が行います)。

後見人の主な事務とは?

 やるべきことは、たくさんありますが、主に財産管理(収入・支出の管理)や入院手続、施設の入所契約、家庭裁判所への報告等になります。

     後見人がお亡くなりになれば、後見業務は終了するのですが、また当方が後見人となった場合、ご親族等が遠方等の理由でお手続等が出来ない等の理由を勘案し、無償でご遺体の引取り・葬儀の手配・ご遺体の安置・簡単な葬儀・火葬・収骨・納骨・公共料金の支払いまでさせていただいております。

成年後見人の費用は?

 成年後見にかかる費用には2種類あります。

  ①家庭裁判所に対する申立費用

  ②後見開始後の費用です。

 

 ①家庭裁判所に対する申立費用

  ・申立に貼付する収入印紙800円

  ・後見登記用印紙2600円、

  ・切手3990円、

  ・保佐、補助の場合切手は、4990円

  

  申立書類作成費用(専門職に対する報酬)

  ・司法書士が申立手続をした場合、目安ですが、10万円から15万円が多いです。

  ・弁護士の場合は、20万円から30万円といったところでしょうか。

  ・実費として、戸籍収集、交通費、郵送代として数千円程度必要になります。

  ・当方でも上記費用全て込みで8万円から10万円の範囲内の金額を頂戴いたします。

  この費用は、本人ではなく、申立人の負担となります。

 ②後見就任後にかかる費用

  これは、ご本人(被後見人)の財産の有無により、年一度後見人より報酬を裁判所に申立て、裁判所が決定します。(目安ですが、管理する財産が1000万円までであれば、月額2万円を基準として、5000万円まで月3万から4万円、5000万円を超える場合、月額5万円から6万円まで)

任意後見人とは?

 上記はすべて「法定」後見についての説明やご費用になります。

 法定後見の場合、ご本人は既に認知症等により、自ら判断能力が難しい状態にある場合の制度です、これに対し任意後見は、ご本人自身の判断能力に衰えがなく、将来に備えて司法書士等の専門職との間で、万一判断能力が衰えた時のために契約をしておく制度です。契約の内容はその方にあった様々なものになります。任意後見に関しましては、ここで長々と説明するよりも、一度ご連絡をいただいたうえ、当方からご説明したほうが、ご理解いただけると考えていますので、任意後見について少しでも気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

  

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